先日、スイスのレマン湖のほとり、ジャズフェスティバルで有名なモントルーに行ってきました。
クリニーク・ラ・プレリーという、歴史ある健康・医療施設を取材するためです。
このクリニークでは七十年以上にわたり、老化を遅らせる療法を中心に、体のあらゆる部分をチェックし、活力を蘇らせる施術を受けることができます。

ここの医療部門の責任者であるドクター・ヴェリにインタビューしたときのこと、最後に私はこんな話題を持ちかけました。
「年を重ねるにつれて、なかなか体重が減らなくなりますね」
するとドクターはこう答えました。
「それは心がけ次第ですよ。常に体を動かすことを考え、意識していないと。
子供たちをご覧なさい。一時もじっとしていないでしょう。だからエネルギーを消耗して太らないのです。
あなたは今インタビューしてらっしゃる間、じっとされていますね。子供には到底できないことです

その後パリに戻って、ドクターの言葉の意味を再確認することになりました。友人の女優マリア・シュナイダーと食事をしていたときのことです。
「あなたはいつもとてもたくさん食べるのに、なぜそんなにやせていられるのかしら」
何げない会話での問いかけでしたが、彼女はこう呟きました。
「家にいても(マリアは家にいるのが大好きです)いつも台所で料理を作ったり、掃除したり、何か体を動かしていないと気がすまない性格なのよ。だから太らないんだと思うわ」

体を動かすことの大切さ。

ドクターとマリアの言葉に、私自身も深く納得することがありました。
仕事のために日本を離れていると、ヨガ教室に行けないことが、とてもストレスになってくるのです。
パリのホテルのベッドでも、少しでも真似事のポーズをしないと、落ち着いて眠れないくらいです。
ヨガでは自分の体が日常生活ではとらない動作をすることで、体が驚くとでもいうのでしょうか。その刺激が全身に血液を行き渡らせるのです。

現代に生きる人間は、環境公害(排気ガスやタバコの煙、産業廃棄物など)にさらされることが多く、免疫システムが侵されつつあります。
そのためストレスやあらゆる病いに対する抵抗力が弱くなり、一年中、風邪を引いたり、肌が荒れたりしています。見た目はダイエットでやせていても、健康とはほど遠い…
まず体のなかから健康にしないと、美しくはなれないと思います。
少しは太めでも、顔の表情がやさしく、心の落ち着いた女性でありたい。
そう思った私は、自分の日常にリラックスを取り入れるべきではないかと、考えるようになりました。
それが、ヨガの教室に入門した理由、というわけです。

通い始めてもう五年以上。
週に一度一時間半のレッスンが、私にとってはとてもいいリラクゼーションになっています。
もともとあまりスポーツをするタイプではない私ですが、ヨガだけはずっと続けられそうです。
肉体的負荷の高い運動よりも、穏やかな負荷のヨガは、四十代以上の女性の体にはとてもやさしいのです。

レッスンが終わった直後はボーッとなりますが、しばらくたつと気分がさわやかになってきます。
体の隅々まで、指の先から頭のてっぺんまで、意識できるようになり、明瞭な肉体感覚を得ることができます。
たとえて言うなら、「私自身の小宇宙」を感じるといったイメージでしょうか。
すると精神的にもとても安定するのです。

ときどきヨガを行いながら、この一週間あったことが次々と私の脳裏に浮かんでくることがあります。
ヨガを行うと同時に心の整理をすることもできるのです。
ヨガ独特のリラックス感や安定感は、ほかのスポーツでは決して味わえないものでした。

もともと論理的思考よりも直感力の強い私ですが、この安定感はなにから来るのか…
いつもレッスンしてくださっている広尾倶楽部の小野智子先生に、お話を伺いました。
「ヨガのポーズはゆっくりとした呼吸で、動作に関係する部位に意識を置いていきます。ポーズを行っているときは、どうしても緊張しがちですので、ポーズが終わった後は必ずリラックスします。この緊張とリラックスの調和が、心身に安定感とエネルギーを与えてくれるのです」
と、小野先生は背筋をスッと伸ばした姿勢でおっしゃいます。
失礼ながらヨガ歴三十年とはとても思えない、若々しいマダムです。

緊張があるからこそリラックスがより効果的になり、そこで調和と安定が得られるというこの考え方は、私の中にストレートに入ってきました。
「自律神経には緊張の交感神経とリラックスの副交感神経があります。交互に作用することで、人の体は正常に機能することができます。呼吸も同じです。吸う緊張と吐くリラックスの繰り返し。呼吸を整えることで、精神が落ち着き、自律神経の働きは安定するのです」
レッスンは必ず呼吸法から始めます(二七ページ参照)。
それからいくつかのポーズを、三十秒から一分くらいずつ静止して行います。
その間、筋肉は緊張しています。そして次のポーズに移る前に、必ず数分間のリラックスを挟み込むのです。

しかばねのポーズ

「しかばねのポーズ」という、全身を脱力した状態で仰向けに寝る姿勢をしばらくとります。
「ほとんどのポーズは、背骨を軸にして行います。
自律神経の働きを高めるためには、ゆがみやすい背骨の位置を正常に戻す必要があります。
右にひねったら次は左にひねる。すべてのポーズは必ず左右対称に行う必要があるんです」
先生はレッスン中によく、「痛いんだけど気持ちのいい所を探してください」とおっしゃいます。
気持ちがいいのは、体が求めている証拠なのだそうです。
またヨガには手足を回転させ、あらゆる関節を動かすことで、サビついた関節をやわらかくする効果もあります。
「各関節を回すことによって老廃物を取り去り、潤滑油を出すという効果がヨガにはあります。
また、骨は圧迫すると増殖する性質を持っています。
片脚で立つバランスのポーズを取ることにより、骨そのものが丈夫になります」
先日人間ドックに入ったところ、先生のおっしゃるとおり、二年前より骨密度が上がっていました。

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